2016年10月28日

優秀な部下は欲しいが

弁護士の鳥飼重和さんがポッドキャスト番組で、次のようにお話しされておられました。すなわち、ある独立弁護士さんからの質問で、弁護士を雇いたいが優秀な弁護士を雇うと顧客を奪われて独立されてしまわないかという質問に対して、その懸念はあるものの、優秀でない弁護士を雇うよりも優秀な弁護士を雇い、しっかり仕事をしてもらうことの方が自分のためになるといものです。

私も同じような悩みを経営者の方から相談されることがあります。部下にはしっかり仕事をしたいので、研修を受講させたり、資格取得を奨励したりしたいのだが、一方で、育成したことによって独立されてしまわないかというジレンマを中小企業経営者の方は感じているようです。

これについては、100%経営者の方の思う通りにはならないとは思いますが、私は部下の育成をすることをお薦めしています。確かに能力を得た部下は独立してしまう可能性はありますが、育成したからといってすべての部下が独立してしまったり、また、独立するまでには一定の期間がかかります。ですから、部下を育成して、しっかりと仕事をしてもらうことの方が得策でしょう。

また、部下を育成する姿勢が明確になると、部下の方たちの士気もあがるし、優秀な人材も集まりやすくなります。そして、仮に、自社から部下が独立したとしても、多くの場合はその元部下の方とは独立後もよい関係が続き、自社の事業にとってもよい影響を受けられると考えます。


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2016年10月27日

知人が融資を受けたから…

例としては少ないのですが、私が銀行に勤務しているとき、「同業者のA社が1億円の融資を受けたそうだから、うちの会社にも1億円を融資して欲しい」というような申し出をする経営者の方に、何人かお会いすることがありました。近隣の同業の経営者同士では、お互いに自社の状況を話し合うことがあり、その中で銀行から多額の融資を受けることができたということは、自慢話として挙げられるのでしょう。だから、思うとおりに融資を受けられない経営者の方は、前述のような申し出につながるのでしょう。

当然、多くの方にご理解いただけると思いますが、このような融資申込の妥当性はなく、おおむね断ることになります。そして、単に融資の妥当性がないというだけでなく、同業者との張り合い、すなわち自分の面目を保つことを目的に融資を受けようとする姿勢で銀行に接してくる経営者の方については、銀行は経営者としての資質を疑問視するでしょう。

ところで、最近、上場会社が、不適切な会計処理を幹部に指示していて問題になりました。これは、当然、経営者自らがコンプライアンス違反を犯していますが、「同業他社が業績をあげているのに、当社が業績を下げたら、自分の面目がつぶれる」という思いが動機のひとつであったでしょう。経営者が優先すべきことは、コンプライアンスは当然ですが、株主の期待にこたえているかどうかということは言うまでもありません。

この経営者が、本来の務めを果たさず、自分の面目を維持したいと考える傾向は、中小企業だけではないようです。あまりにも基本的なことですが、経営者の本来の役割とはどういうことか正しく認識されて欲しいと感じています。


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2016年10月26日

銀行が融資をしないから失敗した

銀行から融資を受けられなかった会社の経営者の方から、「銀行が融資をしなかったから失敗した」ということを話す方にしばしばお会いします。「もし、融資が受けられれば、もうかるビジネスに進出できたのに」という思いでしょう。こういう考え方は決して間違っているとは思いません。

ところで、事業がうまく行かないということがあったとき、その理由は、銀行から融資を受けられないという理由だけではありません。次のようなものが考えられます。

(1)仕入先から高値でしか材料や商品を購入できない。または、現金払いや翌月払いの条件でしか購入できない。

(2)販売先へ安値でしか製品や商品を販売できない。または、売掛金の回収に長期間を要したり、支払期日までの期間が長い手形を切られたりする。

(3)販売先から大きな設備負担の必要な製品の注文を受けたり、フランチャイズに加盟して大きな加盟金の負担を強いられたりする。

ほかにもいろいろな理由があると考えられますが、もうかりそうなことを行おうとするには、高いハードルが待ち構えているということです。このような観点から、ビジネスチャンスに対しては、早い段階から、速く取り組んで行くことが大切でしょう。そうすれば、後から参入しようとした人よりは有利な条件で事業に取り組むことができるようになります。また、銀行からの資金調達だけでなく、他の関係者(販売先・仕入先など)との調整も行いやすくなります。


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