2016年11月30日

社長はわがまま

ある経営者の方から「社長はわがままな人が多い。わがままだから、サラリーマンではなく社長になるんだよ」という話をきいたことがあります。私も、この意見には心あたりがあります。ひとつの例を挙げれば、私が銀行で働いていたときのことですが、取引先の会社の社長が大勢参加する親睦会の旅行では、ほかの人(すなわち、添乗する銀行職員)にちょっとしたことでも頼んでやってもらい、自らは動こうとしない人ばかりとなり、「社長さんたちが集まるとこんなかんじなんだなぁ」と思ったことがあります。

とはいえ、私はこのことを否定的に考えているわけではありません。むしろ、「自分の思い通りに仕事をしたい」と考えている人だからこそ、事業のすべてのリスクを背負ってでも会社を起こして経営者になろうと考えるのだと思います。他人のことについては、粗ばかり見えてしまいますが、「わがままな人≒リスクを取れる人」と私は考えています。

逆に、会社に勤める人は、あまりリスクを取りたがらない人ですが、頼まれたことはきちんと細かいところまで気が利いて実践できる人だと思います。だから、「寄らば大樹の陰」的な人についても、否定的に見ることはあまり賢明でないと私は考えています。



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2016年11月29日

東大生を養子にする

経営コンサルタントの石原明さんが「自分の息子を東大生にしたいと思っている人は多いが、東大生を養子にしても満足する人はいないだろう」という趣旨のことをお話しされていました。実の息子を東大に入学させても、東大生を息子にしても、どちらも「東大生の息子」という結果が得られますが、「息子を東大生にしたい」と望んでいる人は、東大生になっている人を息子にしても満足せず、東大生になっていない息子を東大に入学させることで満足が得られるということです。

一方で、「優秀な部下が欲しい」という要望をもっている経営者の方も多いでしょう。しかしながら、このような要望を持つ人は、たいていは「世の中には無能な人が多いから、自分の会社には優秀な人が入社しない」と考えているでしょう。冷静に見れば、このように考えることはあまり賢明ではないということは、多くの方に理解してもらえると思いますが、自社の人材が貧弱であると感じている経営者は少なくないと思います。

このような考えを持つ経営者が多いのは、人材育成は経営者の役割ではないと考えているからではないかと思います。しかし、現実には、なかなか満足できる人材を自社に迎えることは難しく、結果として、自分が望む人材は自ら育成するしかないという状況が現実でしょう。私としては、起業して経営者になるということは、部下を育成する役割を持つと考えているのですが、起業の前に、そこまで考えが及んでいる人は少数派であると思います。



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2016年11月28日

自社のウリはなにか

リッツカールトンホテルの日本支社長だった高野登さんが、かつて、次のようなお話をされておられました。すなわち、高野さんは1,000人以上もの顧客とその家族の顔を暗記している。そして、お得意さまが家族とホテルに来たときは、ただちにあいさつに向かう。でも、お得意さまが家族以外の女性とホテルに来たときは、あいさつをすることもなく、すれ違うようにしている、というものでした。多くのホテルマンがお手本としておられる高野さんは、完璧なワン・トゥ・ワン・マーケティングを顧客に対して行っているというエピソードです。

もちろん、これは、高野さんが一流のホテルマンだからこそ実践できることでもありますが、きちんとそれに見合った報酬も得ているわけです。だから、同じ宿泊業であっても、ビジネスホテルなどではこのようなホスピタリティは実践していませんし、顧客も当初から高野さんのようなサービスは期待していません。ビジネスホテルもそれなりのホスピタリティは実践していますが、顧客がビジネスホテルに期待していることは、ホスピタリティよりもリーズナブルな価格で宿泊できることの方の比重が高いからでしょう。

ところで、私が事業改善のお手伝いをしている会社の中には、自社のウリは何なのかはっきりさせずに受動的に仕事を受けている会社があるときがあります。すなわち、高いサービスをウリにしてそれなりの報酬を得ようとしているのか、リーズナブルな価格をウリにして価格に見合ったサービスを提供しようとしているのか、曖昧にしている場合があります。このような会社の場合、リーズナブルな価格しか得られないのに、高いサービスを要求され、採算が取れない取引が多くを占めているということがあります。

このような会社は、まず、社長が自社のサービスや商品はどのようなものにしたいのかという考えを明確にしなければなりません。そして、その方針にしたがったサービスや商品、およびそれらの価格を決め、不採算の取引は解消するということを行わなければ、いつまでたっても業績は向上しないことになります。事業の方針を明確にすることも、業績の向上にとっては大切な要素です。



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