2016年11月27日

言い訳のためのコンサルティング

今回は、私の失敗談を書きます。このようなケースは何回か受けたのですが、コンサルティングを依頼しておきながら、本心は事業の改善を望まないという経営者の方からの仕事を依頼を受けたことがありました。「コンサルティングを依頼しておきながら、事業の改善を望まないとはどういうことか」と疑問を持つ方も多いでしょう。これには、次のような状況があるようでした。

ひとつめは、経営者に就いたものの、新たなステップへ踏み込むメンタル的な強さがなく、コンサルタントの提案をなかなか実施しないというものです。しかし、これはメンタルを強くすれば解決するので、それほど大きな問題ではありません。もっと厄介なのは、つぎのようなものです。すなわち、いままで自分が経営者として事業の指揮を執ってきたが、なかなかうまく行かなかった。これは自分の経営者としての手腕に問題があるのではなく、事業はそもそも成功するものではなかった。そして、それはコンサルタントから支援を受けても状況は変わらないということで明らかだ、ということにしたいというものです。

経営者としては、コンサルタントの支援を受けて事業が改善してしまうと、それはこれまでの自分のを否定されることになってしまうと考えるのです。ですから、心の深いところでは、事業が改善しないことを望んでいるようです。そして、そのようなことをしようとするもっと深い事情には、気が進まないのに親から会社の経営を引き継がされた被害者でいたいとか、融資を受けている銀行から業績の改善を再三要求されているがそれは無理な要求であることにしたいというようなことがあると私は分析しています。

現在では、このようなスケープゴートのようなことをされる依頼は受けませんが、もし、コンサルティングを受けている会社の社長が本心では業績の改善を望んでいないような節が見られるときは、社長に本心を確かめるようにしています。本気で業績の改善を望まない社長が経営する会社をコンサルティングしているとすれば、私自身の仕事の意味がなくなってしまうからです。



六角明雄の著書、好評発売中です!
図解でわかる 小さな会社の経営に活かす会計 いちばん最初に読む本 -
posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月26日

融資対策が必要な理由

「銀行から融資を受けられるようにするにはどうすればいいですか?」という質問を受けたとき、私は「なにもする必要はありません」と答えます。これだけですと誤解を生みやすいので、もう少し丁寧に書くと「会社は利益を得ることが目的ですから、その目的通りのことだけをしていれば、融資を得るために別途何らかの対策をとる必要はありません」ということです。

ですから、「銀行から融資を受けられるようにするにはどうすればいいですか?」という質問には、「業績がよくないけれども…」という前置きがあるということになります。ただ、そのような前置きがあっても「業績悪化が一時的であり、回復の見込みが確実であれば、その旨を説明すると融資を受けることができます」と回答することはできます。

しかし、赤字の状態が慢性的であれば、融資を受けることは難しくなります。「だから融資を受けられるようにするための対策が必要になる」という意見もあるかもしれません。でも、そのような会社は融資を受けるという目的の前に、利益を得るという目的はなくなってしまったのでしょうか?少し意地悪な書き方をすれば、赤字であっても融資を受け続けることができれば会社は存続できますが、利益を出さずに会社が存続することは意味がないと私は考えています。



六角明雄の著書、好評発売中です!
図解でわかるリースの実務 いちばん最初に読む本 -
posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月25日

例外の多い会社

事業の改善をお手伝いする会社で、特に社長が会社勤務などの経験を経ずに立ち上げた会社にこの傾向が多いのですが、例外処理が多い会社が少なくありません。例外処理が多いという言い回しをするよりも、仕事の内容に統一性がないという表現をする方がよいかもしれません。抽象的な表現ですが、例えば顧客からの商品の受注の仕方や、商品の納品の仕方など、顧客ごとにばらばらで、相手に合わせて仕事をするというような感じです。

このような状況になったのは、顧客に合わせて受注を取るということを繰り返してきたからでしょう。もちろん、受注を取ることを最優先であり、やむを得ない面もありますが、このやり方では仕事が属人的になり、事業規模の拡大に限界が出てしまいます。理想的な方法は、開業時点で標準的な仕事の流れを制定し、顧客の要望に合わせてカスタマイズするということでしょう。これができていない場合は、開業後であっても標準的な仕事の流れを決めて、徐々に現状を変えていくということが必要でしょう。

ここまでは至極当りまえのことを書いてきましたが、この記事で述べたいことは、仕事の標準化という作業はものすごく地味であることから、経営者はあまり関心を持たず、後回しになってしまうということです。話がずれるように思うかもしれませんが、会社が株式公開を目指そうとするとき、内部統制の体制を整備するという作業は、この標準化よりももっとたいへんな作業になります。内部統制の体制整備には、仕事を可視化することも含まれており、利害関係者が多くなる会社では、「仕事のやり方は、社長や従業員の頭のなかに入っている」という状況は許されません。もちろん、すべての会社が株式公開を目指すわけではないので、法律上の内部統制の体制整備をする必要はないのですが、それでも、標準化された仕事のモデルを作らず、いつまでも顧客に合わせて仕事をするということを繰り返していては、事業の成長は限界が出てくるでしょう。



六角明雄の著書、好評発売中です!
図解でわかる 小さな会社の経営戦略 いちばん最初に読む本 -
posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする