2016年11月01日

大きな家を建てたいが…

先日、フィナンシャルプランナーの方とお話しする機会がありました。かつて相談にのった方が、その方の反対を押し切って、衝動的に多額の住宅ローンを利用して家を買ったということをお話ししてくださいました。

このような事例には私が銀行で働いていたときに経験しました。住宅ローンの借入可能額は、おおまかに述べると、税込年収の40%から逆算して返済できる金額で計算します。そして、住宅販売会社の方は、購入希望者の方から年収をきいておき、そこから借入可能額を計算して、これくらいの家を購入できますよと薦めてきます。このように書くと、住宅販売会社の方を批判するように受け止められてしまいますが、やはり、なるべく高額の住宅を販売したいという意図があるのでしょう。

問題なのは、毎月の返済額が多くなると、普段の生活の余裕がなくなります。当然、このような方は、住宅ローンを組んで新居に住み始めたのち、まもなく延滞を起こしやすくなります。そして、すべてという訳ではありませんが、延滞が重なると家を手放さなければならなくなるということにもなります。それでは、せっかく無理して家を買った甲斐がなくなります。

とはいえ、住宅ローンの申込のときには、「返済比率が高いと、実際の返済はだいぶ苦しいですよ」とお話ししても、「なぜ希望額を融資してくれないのか」という顔をされてしまいがちです。やはり、家を購入するという目標を目の前にしていると、融資する側の助言は邪魔にしか受け止められないのでしょう。

このようなやり取りは、住宅ローン以外の時にも経験しています。創業をしようとするとき、「この金額の融資をしてくれれば、これだけの設備を購入できる」と、開業することだけしか頭にない方からの申込を受けることもあります。その方の事業は計画通りになる可能性もありますが、借入の返済のことも考えると、創業時の融資はなるべく少ないことに越したことはありません。もちろん、最低限必要な融資は受けるべきですが、自分の希望する融資額は本当に必要なのかということを、いったん冷静に考えることをお薦めします。



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posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする