2016年12月01日

陰徳

中国の前漢時代の哲学書である「淮南子(えなんじ)」に、「陰徳あれば必ず陽報あり」という教えがあるそうです。解説するまでもなく、「人知れずよいことを行う者には、必ず目に見えてよいことが返ってくる」という意味であり、日本でも実践している人は多いようです。だからといって、ここで「読者の方も陰徳を重ねましょう」というつもりはありません。ただ、会社経営では陰徳は直接的には表に現れませんが、間接的には顧客などに伝わるのではないかと考えています。

かつては、会社は自社事業の直接的な利益を最優先していた時代があったものの、最近は、CSR(会社の社会的責任)を実践するようになってきました。しかし、「CSR=陰徳」ではなく、CSRを実践しているからといって、その会社が陰徳を積んでいるということではないでしょう。だから、陰徳を実践している人は多いといっても、経営者の方で陰徳を実践している会社はまだまだ少数派でしょう。

というのは、「きょうやらなければならないことで手がいっぱいだ。とても陰徳を実践する余裕はない」という経営者の方が多いのではないでしょうか?むしろ、「もうけに直接関係ないことをやっていたら、会社はつぶれてしまう」と考えている方も多いでしょう。そういう私自身も、このような考え方をしています。私の事業に直接関係ないことなら、なるべくやりたくないと思っています。

ただ、最近は少し考え方がかわるようになりました。というのは、「この人は、自分がもうけることしか考えていない」というのは、顧客になんとなく伝わってしまうと感じています。顧客は「自分(自社)のことだけを考えずに、社会全体を考えて動いてくれる相手でないと、信頼して取引することは難しい」と考えているのではないでしょうか?このような考え方を持つには、もちろん、考え方を変えればいいのですが、とはいえ、そう簡単に考え方を変えるのは難しいでしょう。

でも、考え方をかえることが難しいからこそ陰徳を実践することが必要になるのではないかと思います。陰徳を実践すれば、心に余裕が出てくるようになり、それが顧客にも伝わって、結果的に自社の事業を伸ばすことになるのではないかと考えるようになりました。



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posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする