2016年12月09日

事業計画の目的

融資のご相談を受けるとき、「融資が通りやすいよう事業計画書を作って欲しい」というご依頼を受けることがあります。これについては、「経営者の頭の中にある事業の構想を、正確かつ効果的に銀行に伝わるように書面にして欲しい」ということであれば理解できるのですが、「融資を得られるような事業計画書を作成して、とにかく融資を引き出してほしい」という主旨のことの方が多いようです。しかも、そのような方に対しては、「それでは、このような事業展開をしていけば、銀行からの理解を得られそうですが、これは実行できそうですか」と提案しても、「やってみないとわからないが、融資を得るためにはそれで提出するしかない」という反応が返ってきます。

前述の例は、理解を得やすくするために単純な例を示しましたが、融資を受けるために、しぶしぶ事業計画書を作成する会社は少なくありません。建前と思われがちですが、本来は、経営者自らが自分の構想を事業計画書として書面にし、それを社内で討議して精緻なものとして完成させ、それを銀行に説明して資金面での協力を得るという手順が、本来の事業計画書の利用法でしょう。銀行としては、これからの事業の見通しを確認するために事業計画書の提出を求めるわけですので、銀行から求められてから事業計画書を作成していては、順番が逆ということになります。

ここで述べたいことは、前述のような会社は事業計画書の作成目的が本末転倒の状態にあるということでもありますが、それよりも、業績がかんばしくなくて銀行からなかなか融資を受けることができないでいるとすれば、どのような事業を行っているのかという前に、自社の事業について計画を立て検証しながら進めずに、経営者の方が正しい方向に向かっているかどうかわからずに成り行きで事業に臨んでいるということでしょう。
posted by 六角明雄 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする