2016年12月18日

融資利率2%の意味

銀行から融資を受けている中小企業は多いと思いますが、融資利率はどれくらいでしょうか?もし、2%の利率であれば、まあまあ満足できるとお感じではないでしょうか?ところで、この2%という利率はどうして決まるのかと考えたことはあるでしょうか?恐らく、多くの経営者の方は、日本銀行によってマイナス金利政策が実施されているから、この程度になるのでは?と考えるでしょう。

その考え方は間違いではありません。ただし、融資利率が決まる要因は、金利の相場だけではありません。大雑把に分けると、(1)調達コスト(2)事務コスト(3)信用コスト(4)銀行の利益です。(1)調達コストは、すなわち、預金金利ですが、現在は、ほぼ0%ですから、実際にかかるコストは、(2)事務コストと(3)信用コストです。そして、(2)事務コストは一定ですから、融資利率に大きく影響している要因は、(3)信用コストです。これは、万一、融資が返済されないリスクを見積もって決めるコストです。

例えば、融資利率が2%のとき、(1)調達コストと(4)銀行の利益をそれぞれ、0%(2)事務コストを1%とすると、(3)信用コストは1%ということになります。これは、融資額が1億円のとき、100万円は返済されないという意味です。または、100万円を100社に融資していると、1社は返済してもらえなくなるということです。信用コストが1%というのは、おおよそ正常先(黒字の会社)に対して見積もられるコストです。ですから、金利2%で融資を受けられる会社は、銀行からみて、倒産する確率が今後1年間で1%と評価されているということです。

ところで、多くの中小企業経営者の方は、「うちの会社はつぶれるはずがない」と、考えて事業経営に臨んでおられることでしょう。それは当然です。しかし、銀行から見て、「信用コスト1%の融資先」として見てもらうには、1年以内に倒産する確率が1%と判断してもらわなければなりません。ですから、単に、「うちは倒産しません」と銀行に言うだけでは銀行は納得しません。

自己資本比率が70%とか、当期利益率が20%の会社であれば、銀行は決算書を見ただけで、すぐに低金利で融資をしてくれるでしょう。でも、もし、自己資本比率が低かったり、利益率が低い場合は、「なぜ、うちの会社は倒産しないのか」ということを論理的に説明することが必要です。銀行も、目利き能力を高める努力をしていますが、銀行の判断力だけに頼らずに、自ら説明するようにすることが大切でしょう。
posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする