2016年12月27日

ダム式経営

稲盛和夫さんが書いた本によれば、かつて、稲盛さんは、松下幸之助さんの講演を聴きにいったそうです。その講演では、松下さんがダム式経営についてお話しされていたそうです。ダム式経営とは、いざという時に備えて資金や人材を蓄えておくというものです。これについて、参加者から、「どうすれば蓄えができるのですか」と質問があったそうです。これに対して、松下さんは、「どうすれば蓄えができるかは自分もわからないが、まず、蓄えをしようと強く思うことが大切だ」と答えたそうです。

この答えに対して、質問者はがっかりした様子だったものの、稲盛さんは、「まず、蓄えようという強い意思を持ち、それから、それを実践することが大切だ」と大きな衝撃を感じたそうです。これは想像ですが、稲盛さんは「思念が業をつくる」(「思考は現実化する」)と説かれておられますが、この松下さんのお話しがきっかけになったのかもしれません。このことは、多くの方にご理解いただけることでしょう。

とはいえ、私にご相談に来る人の中には、「そんな面倒なことをしなければならないのであれば、最初から相談には来ない」ということをお話しされる人が少なからずおられます。事業は効率的なことに越したことはありませんが、耳で聞いただけですぐに実行できることに対してお金を払ってくれる顧客はいるのでしょうか?また、一時的にうまくいっても、すぐに他社にまねされてしまい、競争力はなくなってしまうでしょう。

現在は、規制緩和が進み、開業することは簡単にできるようになりましたが、だからこそ、成功する確率は低くなっています。なにが成功するか失敗するかをきちんと見極めることがますます大切になってきています。
posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする