2018年05月13日

[ビジネスのきづき](514)「賃金は固定費と変動費のどちらか」

読者のみなさま、こんにちは。






先日、大学生の長男が、翌日の会社訪問に

そなえて靴を磨いているところを見て、自

分の大学生時代の就職活動中も同じことを

していたなぁと、昔のことを懐かしく思い

出した六角です。


地方銀行に17年間勤務し、約800社の

中小企業のご支援を担当、その経験から習

得した支援ノウハウを活かして、経営コン

サルタントとして独立、がんばる日本の中

小企業を応援するため、今回も、ビジネス

書7冊(累計発行部数3.2万部)のビジ

ネス書作家として、ビジネスを加速させる

ためのきづきを、3分間で読めるメールマ

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●賃金は固定費と変動費のどちらか

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私ごとで恐縮ですが、私の兄は製造業に勤

務していました。


いまは兄は会社を退職しているのですが、

在職中に製造業の会計についてふたりで話

をしたことがあります。


そのとき、私が、「製造原価の賃金は変動

費である」と述べたところ、兄は「賃金は

固定費であり、変動費になることはない」

と反論してきました。


後であらためて説明したいと思いますが、

私が「賃金は変動費」と述べたのは、標準

原価計算の考え方です。


一方、正社員の方は固定給で働いているの

で、正社員に支払う賃金は、契約の形態か

ら見れば固定費と考えることができます。


兄は製造業に携わっていたので、標準原価

計算の知識を持っていると私は考えていた

のですが、その知識はなかったようで、私

が、雇用契約は固定給でも、標準原価計算

の考え方で製造原価を計算するときは、賃

金は変動費として計算するのだと時間をか

けて説明したのですが、結局理解してもら

うことはできませんでした。


では、その標準原価計算について簡単に説

明します。


製造業の賃金の会計処理には3つのステッ

プがあります。


まず、工場で働く従業員の方(以下、工員

と述べます)への賃金(賃金にもさまざま

の定義がありますが、ここでは会計的な観

点での人件費を指すものとします)を支

払ったとき、それは労務費という勘定科目

(会社によって変わることがあります)に

加えられます。


ただし、ややこしいのですが、この労務費

という科目は、費用の科目ではなく、資産

の科目です。


なぜ資産なのかというと、これもあらため

て後述しますが、工員への賃金は、製品の

材料と同様の考え方をしているとご理解く

ださい。


材料は、代金を支払って、直ちには製品の

ために使われず、いったん倉庫などに資産

として保管されます。


そして、賃金も、工員から労働力の対価と

して支払われ、工員の方に働いてもらう権

利を資産として蓄えているというように、

会計的にはとらえています。


さらに、材料は製品製造のために、必要な

分だけ利用(これを、会計の用語では消費

といいます)され、そのたびに帳簿から材

料が消費された分の金額が減らされ、同額

が仕掛品(しかかりひん、製造の途上にあ

る未完成の製品を指す勘定科目)や製品

(完成品)に加えられます。


これと同様に、賃金も、工員の方が働くた

びに労務費勘定から減らされ、仕掛品や製

品に加えられます。


これが2つめのステップです。


そして、3つめのステップは、製品が販売

された時です。


この段階で、販売された製品に要した原価

(材料や労務費の消費額)が、製造原価と

いう費用の科目に移ります。


(ここまでの説明は、理解を容易にするた

めに、必ずしも正確なものとはなっており

ませんことをご了承ください)


復習すると、工員の人件費は、いったん労

務費という資産の科目に計上され、つぎ

に、仕掛品や製品という資産の科目に計上

され、販売された段階で製造原価という費

用になるということです。


では、本題の人件費が変動費だるという説

明に移ります。


標準原価計算では、賃金はどのように仕掛

品や製品に計上されるかというと、一般的

には、時間に応じて計上されます。


例えば、仕掛品を製品にする工程では、正

社員が1時間その作業に携わると、1個の

製品が完成するとします。


そして、正社員の1時間あたりの賃金額が

2,000円であるとすれば、製品が1つ

完成するたびに、帳簿では労務費から製品

勘定に2.000円が加えられることにな

ります。


ところで、変動費とは売上に比例して発生

する費用です。


そこで、前述のように、製品が製造される

(ここでは、製品は製造すれば必ず売れる

という前提で説明をします)たびに賃金が

計上されるので、賃金は変動費としてとら

えることができます。


ここまで、簡単に標準原価計算について説

明してきましたが、1度読んだだけでは理

解が難しいかもしれません。


そこで、賃金は工員に対しては契約に基づ

いて固定的に支払われるものの、製品に対

しては、製造に要した時間に応じて案分さ

れて費用になると考えていただければと思

います。


(なお、すべての製造業が必ずしも標準原

価計算に基づいて原価計算をしているわけ

ではないので、ご注意ください)


では今回の記事の結論ですが、賃金は経営

者の観点から、変動費と考えるべきだとい

うことです。


ここで、そのようなことはわざわざ指摘さ

れなくても分かっていると考える方が多い

と思います。


その一方で、経営者の方が、受注の採算を

検討するときに、意外と人件費を見落とし

ている例が多いと、私の経験で感じていま

す。


例えば、新たな受注があり、その採算を検

討するとき、目に見える材料などは原価と

して認識はされるものの、目に見えない人

件費は十分に検討されていないように感じ

ます。


「先方の希望する価額が、仕入れ値の20

%増しだから採算が合うだろう」と考えて

応需してしまったものの、粗利相当の20

%では人件費が吸収できず赤字になってし

まうというパターンが、業況のよくない会

社に共通していると私は感じています。


そこで、自社の1人1時間あたりの人件費

がいくらか、そして、それぞれの工程には

どれくらいの作業時間が必要かということ

を把握しておくと、目に見えない人件費も

原価として認識しやすくなり、誤って赤字

の受注に応じなくなると思います。


人件費は契約によって固定給ではあります

が、標準原価計算の考え方によって変動費

として考えると、より精度の高い採算の検

討ができるでしょう。





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●ポッドキャストを配信しました

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6月4日(月)13:00〜15:00

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●編集後記

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会社訪問は誰でも緊張するものですね。


いつもはだらしない長男が、めずらしく前

日から会社訪問の準備をしていたので、そ

の緊張度合いが伝わりました。


でも、そういった小さいことの積み重ねこ

そ、本番で効果が現れるはずです。


近いうちに果報が届くといいなぁ。







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2018年05月12日

[ビジネスのきづき](513)「勝てば官軍」

読者のみなさま、こんにちは。






先日、出張中に雨が降ってきたものの、持

っていた折りたたみがさを濡らしたくなく

て、かさをささずにしばらく歩き続けた六

角です。


地方銀行に17年間勤務し、約800社の

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●勝てば官軍

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日本マクドナルドの元社長で、故人の藤田

田さんのご著書、「勝てば官軍ー成功の法

則」( https://amzn.to/2KLANpC )を拝読

しました。


藤田さんといえば、型破りの経営者として

知られており、私もそのような印象を持っ

ていましたが、同書を読むと、意外とオー

ソドックスなことが書かれていました。


「これから(この本が書かれた当時は平成

8年)の日本人は、短期的な勝負を狙わな

いで長期的な勝負を狙ってほしい。


私は、このハンバーガービジネスもはじめ

から言っているように30年かかる。


1サイクルは30年だ、30年辛抱すれば

成功できる。


その次はまた次の30年だ、だから30年

間がんばろう。


そうすれば0歳の子が30歳になるから、

その子がハンバーガーを食べて育てば、そ

の次の世代もハンバーガーを食べにくる。


だから30年サイトで見てやろうというこ

とができたのだ」(226ページ)


藤田さんは大胆な経営者というイメージが

あるものの、それは、長期的な視点に立っ

ているからこそ、自信を持って判断してい

るのだということが分かります。


それにしても、22年前とはいえ、当時も

情報技術が進展しており、ドッグイヤーの

時代と言われていた時代にあっても、30

年サイクルでビジネスを考えるべきという

のは、私も意外でした。


日本で有数の優良会社となった日本マクド

ナルドも、実は「ローマは一日にして成ら

ず」という考えのもとに築かれたものだと

いうことが分かりました。


もうひとつ意外だったことは、ハンバー

ガーの低価格攻勢です。


「多くの人は、巨大なエネルギーをほしい

と思っていながら、それが時間×努力であ

ることをしらないまま、ひと振りで満塁

ホームランを狙うから、失敗してしまうの

だ。


私は、マクドナルドの社員たちに、『満塁

ホームランを狙うな、一歩一歩でいい、努

力と時間をかければ、巨大なエネルギーに

なるのだ』と、ことあるごとに口を酸っぱ

くして言っている。


ハンバーガーを、100円で売れば3千万

個売れた、80円で売れば5千万個も売れ

た。


これはその前に、210円で売り、130

円で売ってと、一歩一歩、時間をかけて努

力してきた結果なのだ。


だから大成功に至ったのであって、いきな

り80円で売って満塁ホームランを狙って

も、この結果は出なかっただろう」(93

ページ)


ちなみに、同社のハンバーガーは、その後

59円まで値下げされ、現在は、100円

で売られています。


私も、この価格には驚いていますが、何か

特殊な手法があった訳ではなく、地道な努

力の積み重ねだったことが分かります。


私も、長期的な視点での経営や地道な努力

の積み重ねが大切だと述べていますが、藤

田さんのような実例を経験した方がお話し

されることで、説得力が何倍にもなったと

思いました。


ところで、この本のタイトルである、「勝

てば官軍」とは、藤田さんの「ビジネスの

世界は『勝てば官軍』である、敗ければ即

『倒産』しかないのである」という言葉か

らつけられたようです。


これも多くの方が述べておられる考え方だ

と思いますが、経営者にはそれくらいの厳

しさが求められると考えているからこそ、

藤田さんは前述のような着実な戦術を徹底

してきたのだと思います。




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●編集後記

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ようやく立夏を過ぎたと思ったら、もう南

日本は梅雨入りしたようです。


梅雨があるからこそ日本らしい季節を味わ

うことができるのですが、やはり、出張先

から電車に乗って帰ることを考えると、濡

れたかさを電車に持ち込むことはなるべく

避けたくなります。


とはいえ、やはりまとまった雨が降ると、

かさをさすことは避けられませんね。


先日も、結果としてかさをさしたのですが、

電車に乗るときはしっかり水切りをしてか

らビニール袋にいれてかばんにしまいまし

た。


結局、最初からかさをさせばよかったです

ね。反省します。^^;








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2018年05月11日

[ビジネスのきづき](512)「PDCAは決断力を高める」

読者のみなさま、こんにちは。






先日、かみさんとくらし始めて24年が経

ち、ふたりでケーキを食べてお祝いをした

六角です。


地方銀行に17年間勤務し、約800社の

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●PDCAは決断力を高める

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先日、東京都府中市を拠点とする税理士で

あり、「夢をかなえる志経営塾−『ふつう

の人』を『できる社長』にする経営の基本

とは」( https://amzn.to/2HSeDkD )の著

者でもある金成祐行先生と、私が制作して

いるポッドキャストの収録をしました。


(収録の様子はこちらの動画で観ることが

できます。→ https://goo.gl/WcnC6m


金成先生と私の考え方は非常に近く、お話

もとても弾みました。


中でも最も印象的だったのは、PDCAが

会社を強くするというお話しです。


金成先生のご著書にも書かれているのです

が、カリスマ経営者でないふつうの経営者

が経営する会社が強くなるには、PDCA

の積み上げが大切だということです。


ただし、これは人口に膾炙していることな

ので、あえてここで述べる必要はないと思

います。


そこで、もう少し別の観点から述べると、

金成先生は、レコーディングダイエットを

例に、PDCAの大切さをお話されておら

れました。


すなわち、ダイエットしようとしている人

が、毎日体重計で自分の体重を測ることに

よって、食事の内容を調整するよう自然と

意識が高まるのと同様に、会社経営者がP

DCAを行うことによって自社を改善しよ

うとする意識が高まるということです。


その具体例として、金成先生のご著書に

は、金成先生の顧問先のイタリアンレスト

ランの改善活動について紹介されていまし

た。


そのレストランでは、ひとつの戦略につい

て直ちに効果を測定し、改善を繰り返して

いるそうです。


そのため、1か月でメニューががらっと変

わることもあるそうです。


しかも、クリスマスのために準備していた

七面鳥料理を本番に備えるために試しに顧

客に出したところ、評判がよくなかったこ

とから、クリスマスイブの前日になって、

メイン料理をチキンローストに変更するこ

とを決断したそうです。


この決断は、前もって仕入れていた七面鳥

料理に合うワインも無駄にしてしまう決断

でもありました。


でも、結果としてクリスマス本番は、ロー

ストチキンと、それに合うワインを提供す

ることで、顧客からは大絶賛を得ることが

できたそうです。


このエピソードは結果論だと考える方もい

るでしょう。


また、私も、このレストランの経営者の方

の決断が、100%正しかったということ

は直ちにできないと思います。


でも、決断をするということが、より成功

に近づく活動をしているということは確か

だと思います。


繰り返しになりますが、決断したことが常

に100%正しいとは限りませんが、だか

らといって、何も決断することをせず、過

去と同じことを続けていることの方が、失

敗する可能性が高いといえるでしょう。


そして、前述の経営者の方がこのような大

胆な決断をできたのも、日ごろのPDCA

の実践によって改善の大切さを実感してい

たからこそ、自分の決断に自信を持つこと

ができていたからではないでしょうか?


むしろ、私は決断することこそが経営者に

求められる役割であり、それを実践できる

ようにする手段がPDCAなのだと思いま

す。


確かに、PDCAは管理のための手段であ

り、売上には直結しないものであることか

ら、あまり評価していない経営者の方が多

いと感じていますが、経営者の方の能力を

研ぎ澄ます効果的な方法でもあると私は考

えています。


いま業況がかんばしくなく、改善したいと

いう経営者の方は、急がば回れのように感

じるかもしれませんが、PDCAを実践す

ることをお薦めします。


ちなみに、私が事業改善のお手伝いをする

ときは、このPDCAの実践を基本にして

います。





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●編集後記

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かみさんとくらし始めてから24年が経っ

たとはいえ、実感があるようでないような

感じがします。


日々、仕事に追われている状態がずっと続

いていたからかもしれません。


決して楽ではないですが、何もすることが

ないよりはいいですね。


これからも、円満な生活が続くよう努力し

て行きたいと思います。







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