2016年11月28日

自社のウリはなにか

リッツカールトンホテルの日本支社長だった高野登さんが、かつて、次のようなお話をされておられました。すなわち、高野さんは1,000人以上もの顧客とその家族の顔を暗記している。そして、お得意さまが家族とホテルに来たときは、ただちにあいさつに向かう。でも、お得意さまが家族以外の女性とホテルに来たときは、あいさつをすることもなく、すれ違うようにしている、というものでした。多くのホテルマンがお手本としておられる高野さんは、完璧なワン・トゥ・ワン・マーケティングを顧客に対して行っているというエピソードです。

もちろん、これは、高野さんが一流のホテルマンだからこそ実践できることでもありますが、きちんとそれに見合った報酬も得ているわけです。だから、同じ宿泊業であっても、ビジネスホテルなどではこのようなホスピタリティは実践していませんし、顧客も当初から高野さんのようなサービスは期待していません。ビジネスホテルもそれなりのホスピタリティは実践していますが、顧客がビジネスホテルに期待していることは、ホスピタリティよりもリーズナブルな価格で宿泊できることの方の比重が高いからでしょう。

ところで、私が事業改善のお手伝いをしている会社の中には、自社のウリは何なのかはっきりさせずに受動的に仕事を受けている会社があるときがあります。すなわち、高いサービスをウリにしてそれなりの報酬を得ようとしているのか、リーズナブルな価格をウリにして価格に見合ったサービスを提供しようとしているのか、曖昧にしている場合があります。このような会社の場合、リーズナブルな価格しか得られないのに、高いサービスを要求され、採算が取れない取引が多くを占めているということがあります。

このような会社は、まず、社長が自社のサービスや商品はどのようなものにしたいのかという考えを明確にしなければなりません。そして、その方針にしたがったサービスや商品、およびそれらの価格を決め、不採算の取引は解消するということを行わなければ、いつまでたっても業績は向上しないことになります。事業の方針を明確にすることも、業績の向上にとっては大切な要素です。



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posted by 六角明雄 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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